訪問販売と電話セールスは、消費者から要請をする取引では無く、不意打ち性が高いとされているため、特定商取引法において規制や解約のルールが定められています。
訪問や電話によって需要を掘り起こすタイプの商品やサービスの販売をする場合には、特定商取引法の規制内容を把握して、同法によって記載義務とされる事項を網羅した契約書を用意する必要があります。
<訪問販売と電話勧誘販売の契約書の記載事項>
・商品(権利・サービス)の種類
・商品(権利・サービス)の価格
・クーリングオフに関する事項
・事業者の名称、住所、電話番号、代表者氏名
・契約担当者の氏名
・契約を締結した日付
・商品の名称、商標、製造者名
・商品の形式があるときは、その型番
・商品の数量
・瑕疵担保責任の特約があれば、その内容
・契約解除の特約があれば、その内容
・その他に特約があれば、その内容
この契約書面の不交付や不備によって行政指導を受けたり、クーリングオフ期間が経過した以後でも解約を受ける事態になる事例も多いため、契約書の整備は重要課題と言えます。
当事務所では、下記のテキストリンク先の専門サイトを運営し、これらの契約書作成を承っております。
訪問販売や電話勧誘販売のビジネスを行う事業者の方は、リスク予防の観点からも上記リンク先をご参照下さい。
金融商品であるファンド(匿名組合出資)や未公開株式などを売買する投資型クラウドファンディングについては、規制が厳しく国内では普及が進んでおりませんでした。
そこで、金融市場拡大の観点から平成26年5月に金融商品取引法が改正され、投資型クラウドファンディングが解禁されました。これは平成27年5月より施行となります。
従来は未公開株の販売は原則禁止とされ、ファンド販売についても最低資本金等の登録の要件が厳しかったのですが、改正によって規制緩和されます。
インターネット取引(クラウドファンディング募集サイト運営)を前提として、発行総額が1億円未満、一人あたりの購入額が50万円以下の範囲であれば、金融庁への登録をすれば未公開株やファンドの販売が可能になります。
金融商品の販売については、小口とはいっても透明性や公平性が不可欠です。
金融商品取引法の趣旨を踏まえて、顧客に適正な情報開示をする規約や書面を整備しなくてはなりません。
そこで、下記の書面の雛形を作成しリンク先にて販売しております。
第2種少額電子募集取扱業務(クラウドファンディング)の契約締結前交付書面
投資型クラウドファンディングの運営をする事業者の方は、上記リンク先ページをご参照下さい。
事業者と消費者の間の取引は消費者契約となり、政策的に消費者保護が図られています。
消費者契約法、特定商取引法、景品表示法など、消費者関連の法律は様々なものがあります。
事業者同士の取引であれば、対等な契約とみなされるので、どちらか片方を保護するということは原則的にはありません。
しかし、消費者契約では、消費者の保護が優先されるため、クーリングオフ制度や契約書の交付義務、広告に表示してはいけない事項など、特別なルールや行政規制が存在します。
そうしたルールや規制を無視して事業を行えば、返品・返金の強制や行政処分などのリスクにつながってしまいます。
消費者を対象としたビジネスをする場合には、消費者関連の法令を調べて違反する事項が無いかを確認しなくてはなりません。
このような事業者の景品表示法や特定商取引法についての相談やリーガルチェックを承っています。
法令の規制をクリアしたうえで、顧客から支持される事業を行うために、消費者関連の法令について調べてみることをお勧めします。
公証役場で作成する公正証書には裁判の確定判決と同等の強制力があるという表現は、私もよく使う言葉です。
但し、これには「金銭給付について」という前提があります。
つまり、金銭に関する事項以外には公正証書といえども強制力を期待することはできません。
「返済を遅延したら仕事を辞めさせて退職金で清算させたい」
「契約違反をしたら離婚をさせて責任をとらせたい」
「お金が無いならサラ金で借入をさせたい」
こうした事を要求したい気持ちは理解できますが、このような条件を公正証書に盛り込むことはほぼ不可能です。
通常の当事者間の契約書でも、このような文言を入れても有効性は疑問です。(訴訟で争えば恐らく無効となるでしょう。)
すると、契約書や公正証書には現実的な対策を条件に組み入れるのが最善という事になります。
具体的には、契約違反には金銭的な罰則を設けて、その条件について詳細を定めておくということです。
このあたりの判断は難しい点も多々あるため、現実性のある契約書を作成したいということであれば、是非とも当事務所にお任せ下さい。
親族が多額の借金を抱えていたとしても、その借金の保証人の契約をしていない限り、法的には肩代わりをして返済する義務はありません。
返済義務の無い借金の肩代わりを強要されるようなら、その債権者を恐喝や強要の罪で刑事告訴をして対抗することも検討できます。
そうは言うものの債権者が知人であったり、あまりにも気の毒に感じて借金(=債務)の一部に限定して肩代わりの返済をするケースもあるでしょう。
このように親族や他人の債務を引き受けて代わりに返済をすることを任意代位弁済(民法第499条)といいます。
ただ、他人の借金の一部を肩代わりする場合には注意が必要です。
借金の一部だけを肩代わり(代位弁済)するつもりだったのに、後から残りの金額も請求されるようでは困ります。
そこで、あくまでも借金の一部だけに限定して支払うのであり、残額については支払う意思の無いことを契約書にして残しておく必要があります。
また、代位返済した金額について、元々の借金をした人(債務者)に支払いを請求することを求償といいますが、この求償の内容についても債務承認弁済契約書などを作成しておく必要があります。
つまり、代位返済をする場合は、債権者と債務者の両者に対して契約書の作成をするように対処しなくてはなりません。
親や兄弟等が借金をしていて、貸主より親族にその返済を求められるケースは多いです。
確かにお金を貸した貸主としては、借主本人が返済できないなら、その親族に支払ってもらいたいと考える道理はわかります。
このような親族の借金(配偶者の借金も含む)については、仮に返済を求められても法律的には支払う義務はありません。
逆に貸主の立場で、返済を滞らせる借主本人を回避して、借主の親族に返済を請求しても、法律的には無効となります。(あまりに執拗な請求をすると恐喝罪に抵触します。)
原則論としては、保証人になっていない限り、親族の借金を返済する義務はありません。
しかし、時には貸主と借主の親族が知人であり、法律的には返済する義務のない借金であっても、諸事情からその借金を肩代わりするという事も多いものです。
子がその友人から借金をして浪費し、責任を感じた親が友人に返済をするケース等ですね。
このようなケースでは、親が債務を引き受けるために債務承認弁済契約書を交わして、貸主に返済を行うことになります。
その他では、親の借金を相続するかどうかという問題もあります。
相続する財産より借金の方が大きければ、相続自体を放棄したり、相続でプラスになる場合のみ限定的に相続する(限定承認)という方法もあります。
つまり、親族が作った借金については、本人が自主的に肩代わりを認めない限り、法律的には負担をする必要はありません。
複数の借金を抱える借主が、どのような順序で借金の返済をしていくのかが問題となるケースがあります。
経済事情が悪化して借金を繰り返す多重債務者の場合は、借主自身がどれだけの金額の負債を抱えているか認識していない場合もあります。
借主側の立場から見た場合、冷静に返済順序を決めるなら利息の高い借金から順に返済するべきでしょう。
なぜなら、利息の高い借金の返済を滞らせれば、利息が増して返済の負担がより重くなるからです。
また、利息が同程度の借金であれば、返済期限が短いものから返していくのが合理的でしょう。
逆に貸主の立場から見た場合には、返済を遅らせた場合の罰則を厳しくして、借主の返済の優先順位を上げさせるという対策が考えられます。
具体的には、金銭消費貸借契約書や債務承認弁済契約書を作成して、遅延損害金を法定限度内で最大にして設定することが有効です。
更に厳格な手続をするには、こうした金銭貸借の契約内容を公正証書にして、支払い遅延を起こした場合には全財産に強制執行を認める文言を付加しておくことです。
罰則が厳しい契約であれば、仮に無利子であったとしても、返済を優先しようという心理が働くものです。
借用書(金銭消費貸借契約書)を作成する際に、使用する印鑑は実印にするべきなのか、それとも三文判でよいのか、はたまた拇印はどうか?
そのような質問を受ける機会は実に多いです。
契約成立の要件としては、実は押印は必須ではありません。
(それどころか、契約書が無くても口頭で意思の合致が確認されていれば、契約は成立します。)
でも、人間は月日が経過したり事情が変わると、簡単に口約束を覆す生き物でもあります。
そんな約束を否定されるリスクを予防するために、物的証拠として契約書を作成するわけです。
契約書を作成する目的は、契約内容を相手方にシビアに認識してもらい、約束を守ってもらうことにあります。
そのためには、契約書の体裁も出来るだけ厳格にしておく必要があります。
そこで、契約書には自筆で署名をして実印を使うのが理想的です。出来ることなら、印鑑登録証明書も添付しておきたいところです。
もちろん、押印と署名という形式を満たせば三文判でも構いませんが、形式的効力という観点からは実印を使用するのが望ましいでしょう。
拇印については、法的には無効とは言えませんが、行政官庁の手続では拇印が認められないという事情もあるので、避けた方が無難です。
未成年者には法律上の保護が手厚いため、未成年と金銭の貸し借りをする場合には、借用書や金銭消費貸借契約書を作成するにも対策が必要です。
具体的には、金銭貸借の契約が親権者の承諾を得たものであることを証明するため、親権者に連帯保証人として署名を連記してもらう必要があります。
親権者が連帯保証人として設定された契約なら、法的にも有効な契約となるので、契約を取り消しされるリスクは無くなります。
未成年者が単独でも有効な契約が出来る例外としては、婚姻した未成年者や会社の営業権を授与された未成年者については、成人と同等として扱われます。
よって、そのような未成年者との契約については、親権者の取消権の心配はありません。
お金の貸し借りの際に、借主が所有する自動車を担保に設定するケースは多いものです。その自動車を金銭貸借の担保にしつつ、自動車の使用は借主に継続させ、借主が支払いを滞らせたら自動車を換金して返済にあてるという契約パターンですね。
このような自動車を担保にする場合にはいくつかの方法がありますが、自動車抵当法に基づいた抵当権の設定と、民法による譲渡担保設定が有名です。
自動車抵当法による抵当権
自動車抵当とは、借主が所有する自動車に抵当権を設定し、自動車は借主に継続利用をさせる制度です。
不動産の抵当権と同じように、借主が返済を滞らせた場合には、担保の自動車を換金処分して貸金にあてることが可能です。
この自動車の抵当権設定には、抵当権設定契約書を作成する他に、陸運局にて抵当権の登録手続をしなくてはなりません。
具体的には抵当権設定契約書と登録申請書を3部づつ用意して陸運局に出向き、自動車登録ファイルに登録を受けます。
但し、軽自動車や小型特殊自動車・小型二輪車には抵当権の設定はできません。
自動車は価額評価の減少が早く、また抵当権登録や換金処分の手続に手間がかかるため、現実には自動車抵当による担保設定は稀であり、譲渡担保設定による対処が多いです。
自動車の譲渡担保設定契約
譲渡担保というのは、金銭貸借の契約とともに担保物(自動車)の所有権を貸主に移し、借主が期限までに返済を完了したときにその所有権を借主に返すという方法です。
つまり、担保物の所有権は貸主に移しつつも、その利用は借主が継続的に行うということが可能となります。
そういう面では抵当権と似ていますが、抵当権登録を要しないので手続が簡便となり好まれます。当事者間で譲渡担保設定契約書を交わすだけで契約は有効となるので、確かに便利ですね。
但し、抵当権のように陸運局に登録をしないので、借主が第三者に自動車を売ってしまうリスクを予防できません。
そのようなリスクを防止するためには、陸運局で自動車の名義変更を行い、自動車の所有者を貸主に移転すると良いでしょう。(使用者は借主にしておきます。)
ただ、自動車の所有者名義がディーラーや金融機関になっている場合は、所有者移転は困難です。事前に車検証等を確認して所有者の名義を確認しておく必要があります。
それから、自動車税については所有者に請求が来るため、その支払方法について借主と確認しておくことも必要です。
(貸主が自動車税を徴収されて、借主からの返済は滞るような契約になっては意味がありません。)
金銭貸借の契約をする場合に、その契約内容を公証役場にて公正証書として作成すると、もっとも厳格な契約手続となります。
公正証書には強制執行認諾文言(きょうせいしっこうにんだくもんごん)という条文を入れることが出来るので、この文言を付加することで、返済に滞りが発生した場合に裁判を経ずに借主の財産に対して強制執行(差押)が可能となります。
公正証書にはしない場合は、当事者のみで金銭消費貸借契約書を作成することになりますが、返済の滞りに対して強制的な対応をすることはできません。
この場合に強制執行を検討するには、契約書を証拠として訴訟を提起し、そこで勝訴をしてから差押という段取りを経る必要があります。
裁判に時間がかかれば、その間に借主の経済状況が悪化してしまうという懸念もしなければなりません。
当事務所では、お客様より「いくら位のお金の貸し借りなら、公正証書にするべきでしょうか?」という質問を受けることも多いです。
あまりに少額な金銭貸借の場合は、公正証書作成の手間や費用を考えると、公正証書作成のメリットは少ないと言えます。
それでも、10万円程の金額でも確実に返済させたいという希望があって、公正証書を作成するケースもあります。
逆に1千万円以上の金銭貸借であっても、従来の取引実績から当事者間の契約書で済ます事例も多々あります。
すると「金額よりも相手が信用できるかどうか」というのが判断基準となりそうです。
そう言ってしまうと実も蓋も無いので、一つの考え方として60万円を基準に検討することをお勧めします。
この60万円という金額は、少額訴訟制度の上限金額です。
少額訴訟とは、60万円以下の債権額に対して、簡易裁判所で原則として1日で判決が得られる制度です。
つまり、60万円以下の金銭貸借の場合は、当事者間の金銭消費貸借契約書が作成してあれば、その契約書を証拠として少額訴訟を提起出来るのです。その少額訴訟の手続をすれば、短期間で強制執行までたどり着くことが可能となります。
(少額訴訟は簡易裁判所の窓口で手続について教えてもらうことも出来ます。)
これらを考慮すれば、60万円以下の金銭貸借は当事者間の契約書を作成することで対処するのが現実的と言えるでしょう。
但し、金銭消費貸借契約書を作成するには、個々の事情を正確に反映させた上で、返済期限の到来時期や期限の利益喪失に関する法的に正当性のある文言を付加しておく必要があります。
これらの点が漏れた契約書では、相手方に言い逃れの機会を与えてしまいます。
金銭貸借の担保として、もっとも簡便な手続となるのは動産への質権設定かと思います。
担保として土地や建物などの不動産を設定するには、法務局への登記が必要であり、連帯保証人を付けるには相当な気苦労が必要です。これは手続として重いものであり、契約書作成までには時間がかかるのも仕方ありません。
一方、借主が宝石や絵画など換金性の高い動産を所有している場合は、それを貸主に質入して、返済が滞った場合は質物を換金処分するように契約を結ぶことができます。借主と貸主の当事者だけで決められることですから手続は即時にできます。
借主も質物には思い入れがあるわけですから、金銭の返済も通常よりは確実に果たされることが期待できます。
ただ、質物を無断で処分するのは不法ですから、どういう条件のときに換金処分をするかを事前に明確にしておく必要があります。
質物の保護という面でも、貸主の換金処分の正当性確保という面でも、このような契約には契約書を準備しておく必要があります。
具体的には、動産質権設定金銭貸借契約書を作成し、金銭貸借の事実確認や返済条件、質物の特定や質権設定など諸条件を明確にしておきます。
また、借主の親族や知人が質物を提供するようなケースは、貸主と借主の間で金銭消費貸借契約書を作成し、貸主と質物提供者の間で動産質権設定契約書を作成して対応します。
但し、動産であっても自動車や船舶、建設機械の一部のように、法律で登録や登記が義務付けられているものがあり、注意が必要です。このような動産は、契約書の他にも登録や登記をしなければ担保としての実効性は期待できません。
お金の貸し借りについて、借用書を作成する場合には返済期限を明確に定めるのが常識です。
しかし、知人と少額の貸し借りをする場合は、期限について特に定めないことも多々あります。
このような返済期限がどのような扱いになるのかを、以下に解説します。
返済期日を明確にしている場合(確定期限)
例えば「2010年12月31日」とか「毎月20日まで」というように、期日を明確にして返済を約束する場合を、確定期限を定めた返済契約といいます。
この指定期日までに返済が行われない場合は、借主の契約違反となります。このような契約違反を予防するため、罰金である遅延損害金を設定したり、返済遅延を起こした場合には残額を一括支払いする義務の設定(期限の利益喪失条項)をして対処します。
遅延損害金や期限の利益喪失は、予め契約書に定めておく必要があります。
返済期日に一定の条件を設定する場合(不確定期限)
予備校に通うため奨学金を借りて、「資格を取得したら返済する」と約束するケースは、資格取得の時期が不確定のため、不確定期限の返済契約といえます。
このような不確定期限の契約は、資格取得という条件が成就したときが返済期限となります。
もし、いつまでも資格取得ができない場合は、予備校を退学するなど資格取得を諦めたことが明白となった時点が返済期限となります。また、資格取得以前に受験資格を喪失したり、借主が死亡して資格取得が不可能となった場合も、返済期限が到来したことになります。本人が死亡した場合は、債務の保証人が設定されていれば、保証人に対して返済の請求ができます。
返済期日を定めていない場合
返済時期を定めない金銭貸借の契約は、貸主が気を揉むことが多いものですが、こうした契約は貸主が請求を行った時点で借主に返済義務が生じます。(民法591条)
期限の定めが無い金銭貸借は、貸主が相当の期間(通常は1週間程度)の猶予を与え、その期間が経過した場合は返済期限が経過したものとみなされます。
内容証明郵便で、1週間後の期日までに返済するように請求すれば、返済期日はその指定日に確定します。
つまり、返済期日を定めない契約は、実は貸主が自由に期限を指定できるので、貸主に有利な契約ともいえます。
(但し、契約書に担保や連帯保証人が定めていない場合は、借主に経済力が無いと結局は返済不能となってしまいます。契約時に借主が返済できない場合の対策を定めていないと、後から取立てをするのは厳しいものです。)
会社が従業員に住宅購入資金を貸与したり、医療法人が勤労学生に奨学金を貸与し、その返済は給与天引きで分割償還するケースは多いようです。
従業者への優遇措置として低金利で融資するのは、従業者にも喜ばれる施策と言えるでしょう。
ただ、この金銭貸借については契約内容をよく検討しておく必要があります。
それは労働基準法第17条で、「使用者は、前借金その他”労働することを条件とする前貸の債権と賃金を相殺してはならない。」という規定があるからです。
金銭貸借契約書に「労働者を拘束するとみなされる規定」があった場合は、その部分は無効となり、会社の意図とは異なるトラブルを招く可能性が生じてしまいます。
ただ、この「前借金と賃金の相殺禁止の原則」についても例外はあり、労働することを条件とせず身分的拘束の伴わない、人的信用による融資は違反となりません。
つまり、月々の返済は給与割賦償還と定め、従業者の退職時にも分割返済を認める内容の契約であれば適法といえるでしょう。
従業者が完済前に退職する事態も想定して、分割金の支払いを怠る場合は一括返済を認める内容の契約にしておくのが無難でしょう。
また、返済の残額が大きい場合は、退職時には公正証書を作成することを条件とするべきです。
金銭貸借の担保の一手段として、抵当権の設定という選択肢があります。
抵当権というのは、土地や建物等の不動産を担保にとる行為ですが、返済が果たされている間は債務者に不動産の継続利用を認めるものです。
その点が、担保物を債権者が保管する質権とは異なるところです。
抵当権は登記等によって公示することが前提となるので、宝石や古物等に抵当をつけることはできません。
(宝石や古物などの動産に関しては、担保とするなら質権ということになるでしょう。)
土地や建物など、法務局で登記の制度が存在する不動産に関しては、担保には抵当権が最適といえます。
ただ、逆に言えば不動産に抵当権を設定する契約は、単に契約書を交わしただけでは不完全です。
抵当権設定の契約書を締結した上で、更に法務局に抵当権の登記手続きをする必要があります。
この法務局への登記手続きを怠ると、他にも抵当権を設定した債権者が存在する場合は、該当不動産から弁済を得られなくなってしまう可能性もあります。
不動産への抵当権の設定は、必ず契約書を交わすと同時に法務局へ登記の手続が必須です。
また、目的の不動産に関して、先に抵当権が設定されていることも多いので、担保としての価値があるかどうかも判断が必要です。
不動産の抵当が話題となった場合は、必ず事前に登記簿を確認して、先に設定された抵当権があるかどうかを確かめて下さい。
尚、法務局への登記を専門家に依頼する場合は、司法書士の業務範囲となるので、司法書士事務所に問合せをして下さい。
個人間の金銭貸借や商取引で、債務者(借主)側の都合で返済期限を延期することはよくあります。
そんなときに口頭で支払い延期を了承しても良いのですが、できるなら延期したことの証拠を残し、次回の返済期限には確実に支払いがされるように手を尽くしたいところです。
そこで、簡易的に支払延期の事実を証拠として残すために、返済遅延の事実確認と次回返済期限を誓約する支払延期書を作成しておくと安心です。
債務者にもっと返済期限について厳格に意識してもらうには、改めて金銭貸借の契約書を作成するという対処方法も考えられます。
契約書に返済条件や担保・遅延損害金などを明確に記載し、次回の期限は厳守することを意識付けさせるわけです。
この場合は過去の金銭貸借について、その事実関係を承認して改めて返済条件を定めることになるので、債務承認弁済契約書を作成することになります。
商取引の場合は、単に支払期限を延期するだけではなく、売掛金を債務者個人の金銭貸借に置き換えて、連帯保証人や物的担保を設定することを延期の条件とするように交渉するべきでしょう。
この場合は金銭準消費貸借契約書を作成することになります。
金銭貸借の契約をする場合、借主が返済を怠り支払いが遅延することを予防したいものです。
貸主の最大の懸念は、「ちゃんと約束どおりの期日に返済してくれるのか?」という点に尽きるでしょう。
このように返済遅延を予防するために、遅延に対する罰金を決めておくことが、契約書作成のセオリーとも言えます。
こうした罰金を遅延損害金と呼びます。
具体的な遅延損害金の設定は、「返済期日までに支払いを怠る場合は、年利何%の遅延損害金を支払う」という文言を契約書に入れます。
それでは、この遅延損害金は最大何%まで課すことができるのでしょうか?
その回答は利息制限法にあります。
利息制限法では、金銭貸借の金利について、以下のように定めています。(利息制限法第1条)
(1)元本が10万円未満 ・・・年20%
(2)元本が10万円以上100万円未満 ・・・年18%
(3)元本が100万円以上 ・・・年15%
上記のパーセンテージを前提条件とした上で、同法ではその1.46倍までの遅延損害金の設定を許容しています。(同法第4条)
すると、遅延損害金の法定上限値は以下のようになります。
(1)元本が10万円未満 ・・・年29.2%
(2)元本が10万円以上100万円未満 ・・・年26.28%
(3)元本が100万円以上 ・・・年21.9%
ちなみに利息制限法の基準を超えた遅延損害金を定めた場合は、同法の規定によりその超過分は無効となります。(遅延損害金そのものが無効になるわけではありません。)
金銭貸借の契約書を作成する場合は、金利や遅延損害金の上限について注意しましょう。
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金銭貸借に関しては、個人間の貸し借りでは10年間、商取引なら5年間(売掛金は2年間)で消滅時効となり、借主が時効を主張する場合(これを「時効の援用」といいます)は債権は消滅してしまいます。
つまり、お金を貸した側は、一定期間経過すると返済を請求できなくなるリスクがあるわけです。
このような金銭貸借の消滅時効を防ぐには、いくつかの方法があります。
その代表的な手続を以下に解説します。
催告
裁判での催告は最終手段となりますが、その前段階として内容証明郵便で支払いの請求をします。
これは請求をしたという証拠を公的に残すためです。
内容証明郵便で催告(支払請求)をすると、内容証明郵便が相手方に届いたときから時効は中断します。
但し、この時効の中断の効果は6ヶ月間しかありません。その時効を6ヶ月間延長した間に返済に関する契約書を作成し直すか、裁判手続をとるという対策が必要となります。
債務を承認させる
金銭貸借の契約書を作成しておらず、口約束だけになっている場合は、金銭貸借の事実を認めさせ返済計画を定める契約書を作成することで、時効は契約書の作成時から再度進行します。
この手続により、時効は10年もしくは5年延長することになります。
過去に借用書を作成していた場合でも、新たに返済条件を定めた債務承認弁済契約書を作成することで、時効を実質的に延長することができます。
裁判手続
債権回収の最終手段となるのが訴訟ですが、この訴訟も時効を中断する効果があります。相手方が支払いに応じない場合は、裁判で決着させるしかありません。
(契約書を公正証書にしていれば、支払い不履行時には、裁判を経ずに強制執行が可能となります。)
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商取引等で相手方に支払わなくてはいけない買掛金(債務)があり、かつ同額程度の金銭的貸付(債権)を同時に持つ場合。
または、回収予定の売掛金(債権)があるが、相手方から借入(債務)をしている場合。
このようなケースでは、互いの債権と債務を差し引きして、それぞれを消滅させることができます。
いわゆる相殺(そうさい)です。
相殺ができれば、その相殺分について債務者は支払い義務から免れ、債権者は債権回収ができたのと同様の効果が得られます。
相殺ができる条件としては、両者に同額程度の債権と債務があることと、原則としてそれぞれの債権・債務について支払期限(弁済期)が到来している必要があります。
相殺できる条件が揃っているなら、基本的には取引の片方が相殺の意思表示をすれば、相殺は完成します。
相殺することを確実に伝達したい場合は、内容証明郵便で通知したり、相殺処理をすることの合意書を作成する等の事務処理をすれば良いでしょう。
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債務者が債務の返済が困難となった場合、その債務を第三者に肩代わりしてもらうという解決方法も考えられます。
よくある事例としては、子の債務を親が肩代わりして返済するというパターンです。
このような債務の切り替えには、4つのケースがあります。
契約の更改
債務者をXからYに切り替えて、Yとの間に債務弁済契約を締結し、Xとの債務を消滅させるようなケースを、契約の更改といいます。
免責的債務引受
Xの債務をYに移転し、Yが債務を返済してXは債務を逃れるケースを免責的債務引受といいます。
重畳的債務引受
Xの債務をYには移転するが、Xも引き続き債務の返済義務を負うケースを重畳的債務引受といいます。
債務履行の引受
債務をXからYに肩代わりさせて、支払い責任はYが負うが、Xの債務は引き続き残るケースを債務履行の引受といいます。
債務を移転する場合には、どのような形にしても有効ですが、債権者の立場から見れば重畳的債務引受が一番適切でしょう。
一般的に商取引に関わる債権の消滅時効は5年ですが、売掛金等は2年と時効までの期間は短くなります。
小切手や手形に関しては、更に短くなる場合があるので、経理担当の方は注意が必要です。
手形の消滅時効
小切手の消滅時効
素早いクーリングオフならクーリングオフ・エクスプレスです。
迅速な借用書なら借用書と金銭消費貸借契約書エクスプレスです。
抵当権とは、借主が担保として提供した不動産を、その使用を継続させながら、債務が弁済されない場合にその不動産の価額によって、貸主が優先弁済を受けることのできる権利です。
抵当権の設定契約自体は、金銭貸借(抵当権設定)契約書を締結することで有効となります。
但し、不動産の場合は、当事者間で契約をしていても、その抵当権設定の事実を法務局に登記しなければ、後から第三者に登記を先にされてしまうと、優先弁済が受けられなくなってしまいます。
金銭貸借の担保として、不動産の抵当権設定契約をした場合は、同時に法務局に登記をする必要があります。(法務局の登記については、司法書士事務所にご依頼下さい。)
お金を貸す代わりに、一時的に借主の不動産登記権利証を、貸主が預かるということも行われますが、単に権利証を保有するだけでは、担保としての効力は極めて弱いものです。
手続を厳格に行う場合は、金銭貸借抵当権設定契約書を交わし、同時に不動産の抵当権設定登記を法務局で行うべきです。
金銭貸借の契約をして、借主が金銭での弁済が困難になった場合に、土地や家等の不動産や車両や貴金属などの動産を貸主に提供することで、本来の弁済に代えることを代物弁済といいます。
つまり、現金は用意できないので、代わりに土地や車両を渡すことで、債権者に納得してもらうということですね。
現金の代わりに、土地や車両・貴金属など等価値の物で弁済することは、広く行われています。
金銭貸借の契約をする際に、現金での弁済が出来ない場合は、不動産や動産を弁済に充てるという特約を設定することも可能です。
このように契約時に代物弁済を予め取り決めておくことを、代物弁済の予約といいます。
但し、債権額の何倍もの価値がある物を、代物弁済として取るような場合は、その契約は公序良俗違反として無効とされる可能性もあります。
十万円の債権に対して、数百万円の貴金属を代物弁済の目的物とするのは、さすがに不当です。
債権額に釣り合った代物弁済の予約をすることが肝心です。
代物弁済の目的物が不動産の場合は、不動産が転売されないように仮登記の手続をしておく必要があります。(登記手続きは司法書士にご依頼下さい。)
単に契約書で不動産の代物弁済の予約をしても、登記をしていなければ、第三者へ転売されるリスクを残します。
代物弁済の目的物が動産の場合は、その動産が勝手に転売されないよう、監視が必要となります。
契約書には、動産が勝手に処分されないように、制約を加えるように検討するべきでしょう。
例えば、100万円を90日後に返済するとして、利息を10%と定めて、お金を貸したとします。
この場合、貸主が「10%分の利息に相当する10万円を天引きして、90万円を渡すから、90日後に100万円を返済して欲しい」と言ったとします。
厳密に言うと、金銭貸借の利息は、実際に借り受けた金額を元本として計算します。
すると、この場合は実際に渡されたのは90万円ですから、元本を90万円として利息計算をすることになります。
つまり、元本90万円の10%である9万円を利息とするので、借主は99万円を支払えば良いことになります。
利息を天引きする場合は、利息計算方法をよく検討して、契約書を作成する必要があります。
金銭貸借に関する契約書作成なら、迅速な借用書と金銭貸借契約書作成エクスプレスをご覧下さい。
お金を貸すときに、確実に返済させるための担保として、最初に思い浮かぶのは土地や建物ではないでしょうか?
土地や建物は逃げていかないので、取り損なう心配はありません。
しかし、口約束や契約書で借主の土地を担保にすると約束しても、不動産の抵当権設定登記等の手続を経なければ、その担保契約は絵に描いた餅に終わってしまいます。
不動産の登記手続きは、手間も時間もかかることが多いため、小額の金銭貸借の担保には向かないことも多いでしょう。
そこで、借主が所有する貴金属や売掛債権などを質にとるという方法があります。
ただ、貴金属等を実際に貸主が質物として預かる場合は、傷をつけたりしないよう注意する必要があります。
万一、破損させてしまえば、その損害賠償をしなくてはいけません。
また、単に預かっているのではなく、質として保管していることを明確にするため、必ず金銭消費貸借契約書等に質物のことを明記しておくか、動産質権設定契約書を作成しておきましょう。
他にも、借主が所有する商売上の買掛債権等に質権を設定するという方法があります。
このような借主が所有する買掛債権や株券等の権利を担保にするのを、権利質といいます。
権利質は、動産のように実際に引渡しを要しないため、貸主も管理義務を考慮しなくて良いというメリットがあります。
但し、株券等を権利質とする場合は、その会社の帳簿に記載してもらわないと、期待する効力を得られないケースがあります。
質権設定については、金銭消費貸借契約書に質権設定の特約について記載するか、別途に権利質設定契約書を交わすことで、手続を行います。
(株券については、株式発行会社の帳簿に質権の記載をしてもらうように手続をとりましょう。)
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商売の売掛金が、なかなか回収できないトラブルは多いものです。
何ヶ月も支払いが滞るようなら、債権者としても決意を固めなくてはいけません。
そこで、通常は滞納している売掛金を、一括で返済するように請求をすることになりますね。
直談判で交渉したり、内容証明郵便で督促をしたりして、早く支払うように念押しをします。
債務者は一括支払いができない状態だと、支払延期や分割支払いを懇願してくることが多いです。
そんな時は、そのまま合意するのではなくて、延期や分割を認める代わりに、売掛金を借用書に切り替えることを承諾させると良いでしょう。
債務者も、商売上の売掛金が、自己の借金に変われば、返済のプレッシャーは高まるものです。
また、売掛金の消滅時効は2年間(民法第173条)ですが、個人的な金銭貸借に変更した場合は5年間(民法第169条)に延長されるメリットも生じます。
売掛金を債務者個人の金銭貸借に変更する手続は、金銭準消費貸借契約書を作成することで対応できます。
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会社同士の決済方法として、手形は広く用いられています。
債務者が支払期日までに支払いができそうもない場合は、手形の書替をして、支払いを延期するように依頼してくることもあるでしょう。
債権額が大きい場合は、そのまま手形の書替に応じるのは得策ではありません。
手形の支払いを延期して、その間に不渡りがあると、債権者にとってリスクは大きなものとなります。
債務者側にどうしても支払いができない事情があるなら、支払延期に条件を付けるべきです。
不動産や動産の担保を設定したり、連帯保証人を設定したり、万一の支払い事故に備えておくことが肝心です。
単に手形の書替に応じるのではなくて、支払延期に承諾する代わりに、金銭準消費貸借契約書を作成して、手形(売掛金)を金銭貸借に切り替えるべきでしょう。
金銭貸借に切り替えれば、消滅時効も5年に延長します。(商事の場合)
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誰でも貸し倒れが予め予想できる相手には、お金を貸したくはありませんね。
でも、時として個人間のお金の貸し借りに関しては、義理人情がつきまとって、冷静な判断に欠けることがあります。
そういう私自身も、過去には信用貸しをして、結局帰ってこなくなった経験をしております。(それほど多額では無いので、まだ良かったのですが。)
義理がある人に頼まれると、経験者として、断りにくい気持ちはよくわかります。
でも、やはり時として、勇気を持って断ることも必要だと考えます。
次のような傾向がある人には、絶対にお金は貸すべきではありません。
このような条件に当てはまる人にお金を貸すと、かなり高い確率で返済は滞ってしまいます。
「お金を貸さない」という選択肢もあるので、心を鬼にして、貸すのは断るべきですね。
商取引の相手では、高額の取引をする際には、信用調査は不可欠です。
法人の信用調査には、一般的には銀行や商工会議所に問い合わせたり、帝国データバンクのような信用調査会社の報告書を調べることになります。
独自に調査したい場合は、市役所で固定資産課税大腸を調べたり、法務局で商業登記簿を閲覧したりします。
自動車については、陸運局の自動車登録簿を調べます。
(当事務所では、これらの信用調査は対応できません。ご自身で調査をして下さい。)
そのような調査を経て、経営状況が健全であること、担保や連帯保証人を設定できることを確認し、初めて大きな取引を決断することができます。
決して、相手の言葉だけを鵜呑みにして、安易な信用貸しをしないことですね。
以上のような調査を経て、問題がないと判断できた場合は、返済条件等の詳細を取り決めることになります。
そして、話し合いの結果を契約書に反映させることになります。
こうした過程を面倒に感じて、口約束だけでお金を貸すと、深刻なトラブルの火種になってしまいます。
必ず信用調査をして、借用書や金銭消費貸借契約書を作成するようにしましょう。
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お金を貸す場合は、借主が自力で返済が出来なくなった場合の対策として、担保を付けるのが一般的です。
担保には人的担保と物的担保の二種類があり、人的担保は保証人で、物的担保は不動産や動産に対する抵当権や質権であったりします。
土地や建物の不動産を担保にするには、抵当権等の登記が必要で、単に契約書で担保の指定をするだけでは足りません。
動産でも、自動車や建設機械の一部では、登録や登記が必要になるケースがあります。
このように不動産や一部の動産の担保設定は、非常に厄介です。
商品や什器など、契約書で担保指定するだけで良い動産もありますが、これらは勝手に転売されるリスクがつきまといます。
なかなかうまくいかないものですね。
人的担保の連帯保証人については、公正証書で連帯保証設定をすれば、手続きとしては完璧となります。
ただ、実際に返済遅延が発生している債務について、連帯保証人を引き受けてくれる人はほとんどありません。
やはり、最初の金銭貸借の条件を決める際に、連帯保証人や不動産・動産担保について、明確に話し合うことが肝心ですね。
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当事者だけでは債権回収が困難な場合、小口債権であれば弁護士への依頼が一般的です。弁護士は内容証明郵便による督促や訴訟を経た強制執行まで、状況に応じて適切な対処をしてくれるでしょう。
債権が高額であったり、継続的に請求業務が発生する場合は、法務省が許可をした債権管理回収業者に依頼するという選択肢もあります。
債権管理回収業(サービーサー)は、債権管理回収業に関する特別措置法に基づいて、法務省が許可した債権回収に関する専門業者です。
多数の債権回収案件を抱えている場合は、サービーサーへ依頼するのも有効でしょう。
貸主と借主の双方で、返済条件についての合意ができている場合は、当行政書士事務所で金銭貸借契約書の作成や公正証書起案などのご支援が可能です。
債権の状況に応じた対処法をご検討下さい。
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なかなかお金を返さない相手に、ただ「すぐに返済して!」と連呼しても、なかなか効き目はありませんね。
債権回収の手段として、内容証明郵便を利用するという選択肢もあります。
内容証明郵便とは、文書の内容と配達日時が公的に保証される郵便制度です。
内容証明郵便自体に強制力は全くありませんが、受け取った相手は普通の郵便物との違いに動揺して、真剣に考えるという心理的効果が期待できます。
また、時効の進行を一時的に中断させる効力もあったりします。
しかし、心理的圧力をかける以外の効果は無いですから、相手が無視をしたり、居直る場合には何の役にも立ちません。
相手に返済をする経済力はあって、怠惰な性格から返済が滞っているようなケースなら、内容証明郵便は効果が見込めます。
本当にお金が無かったり、資金繰りに躍起になっている状態では、内容証明郵便を送っても、居直られたり逆ギレされる可能性もあります。
相手に一括返済する余裕がなければ、仮に裁判に勝ったとしても、一括で返済されることは無いのです。
一括返済が無理であれば、分割返済案を提示するなど、少しづつでも確実に回収を図る現実的対応が求められます。
内容証明郵便を送っても、効果が無いことは多いものです。(幾多の内容証明の作成代行をしている私が言うのだから、間違いありません。)
内容証明郵便を送って、その後に相手の態度が好転するのを待つのでは、やはり他力本願ですね。そこを相手にも見透かされます。
自分の責任で貸したお金ですから、債権回収も自分でやる気迫が必要です。
相手に返そうとする意思が多少でも見られるなら、やはり直談判をして、返済を約束させるのが賢明です。
でも、そこで約束するだけで相手を信用してしまうなら、あなたはお人好しです。
相手が「返す」と言っているうちに、借用書や金銭消費貸借契約書を作成し、相手の逃げ道を封じておく必要があります。
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金銭貸借の保証人となって、借主が返済を怠ったときに、保証人が代わって支払をした場合は、保証人はその金額を借主に請求することができます。
まあ、当然のことですよね。この保証人が借主に請求する行為を、求償といいます。
保証人は、支払のためにやむを得ず支出した費用や被った損害についても、借主に請求することができます。
具体的には、一括返済するために、金融機関から借り入れした場合に、その金利手数料分も請求できます。
また、利息に関しての取り決めをしていなければ、法定利息(民事は年利5%。商事は年利6%。)を請求することもできます。
但し、借主が貸主に返済できない事情があるときは、借主の経済事情は苦境にあるということです。
保証人が借主に対して一括返済するように求償したとしても、その通りに返済されるわけはありません。
借主と冷静に協議して、分割返済の計画を立て、保証人と借主の間で改めて債務承認弁済契約書を作成するべきでしょう。
このようなケースでは、曖昧な口約束で終わらせないのが鉄則です。
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商品の売買に関して、2ヶ月以上の期間で3回以上の分割払いにして、かつその商品が割賦販売法の指定商品となる場合は、その売買契約は割賦販売法が適用されます。
割賦販売法に基づいた割賦販売では、商品の所有権は販売者側に留保されます。
つまり、購入者は商品の利用は自由にできますが、所有権は販売者に留保されているので、商品の処分や転売などは販売者の許可無くできないことになります。
商品売買の際に、無自覚で割賦販売法の適用対象の契約を締結することもあるかと思いますが、その場合は特に契約書に所有権留保を定めなくても、所有権は販売者側にあるものと解されます。
但し、契約書に所有権留保について明示しておきたい場合は、その内容を記載しても構いません。
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商取引上の債権回収の一手段として、在庫商品や什器等を担保にする場合があります。
または、借用書や債務承認弁済契約書を作成し、その履行を確実とするために各種動産に対して、別途譲渡担保設定契約書を作成する場合もあります。
不動産抵当権を設定するには、契約書だけでは足らず、登記が必要となります。そのような手間をかけられないような場合には、上記のような動産に担保を設定するのが簡便で好まれます。
(但し、債務者が勝手に担保物を第三者に売り渡してしまうリスクもあるので、相手方との信頼関係が成立していることが前提となりますね。)
また、動産であっても、自動車や船舶、建設機械の一部のように、法律で登録や登記が義務付けられているものがあり、注意が必要です。
法律で登記が指定されている動産について、譲渡担保設定契約書を交わしていても、登記がされていなければ、勝手に第三者に売り渡されてしまうリスクがあります。
担保に設定しようとする動産が、登録や登記が必要かどうかは、該当動産のメーカーや司法書士にご確認下さい。(登記に関しては、司法書士や海事代理士にご依頼下さい。)
譲渡担保設定契約書の作成には、以下の事項を検討する必要があります。
当事務所では譲渡担保設定契約書の作成を承っております。(登記が必要な動産の登記手続は司法書士事務所にご依頼下さい。)
公正証書の作成についても、ご支援しております。
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お金を貸した場合、個人間の貸し借りなら10年、商取引なら 5年(売掛金は2年)で消滅時効を迎えます。
時効となったお金は、もう取り返すことは出来ないのでしょうか?
実はこうした債権の時効は、自動的に成立するものではありません。
時効を成立させるためには、お金を借りた側(債務者)が、「私の借りたお金は時効となったので、もう返すつもりはありません!!」と宣言をしなくてはなりません。
この債務者の宣言する行為を「時効の援用」といいます。
時効の援用は、通常は内容証明郵便で手続きをします。
つまり、内容証明郵便で時効の援用通知を貰わない限りは、お金を貸した側は返還請求をしても違法では無いのです。
相手側がまだ返済する様子があるなら、改めて債務弁済承認契約書を作成すれば、債権は復活できるのです。まるで敗者復活戦みたいですね。
お金を貸した時期があやふやで、そろそろ時効が心配になる場合は、すぐに債務承認弁済契約書を作成しておくべきですね。
債務承認弁済契約書に記載する内容が不適切な場合は、その契約内容の効力が否定されるリスクがあります。契約条項は慎重に検討しましょう。
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お客様からの問い合わせで、「収入印紙が貼っていない契約書は無効でしょ?」「収入印紙を貼り忘れたけど、それで効力が否定されるのが心配。」という相談は、とても多いです。
素朴な疑問ですよね。
実は収入印紙が貼ってあるかどうかは、借用書や金銭消費貸借契約書の効力には影響を与えません。
貼っていなくても、契約自体は有効なのです。
安心してください。(場合によっては、「残念でした」でしょうか?)
ただ、法定の金額の収入印紙を貼らないと、印紙税法違反に問われます。
この罰則は印紙税法第20条で定められています。
何と、印紙貼り忘れの罰則は、法定の印紙金額の3倍額を納付しなくてはならなくなります。
これは痛いですね。契約書にはちゃんと収入印紙を貼るようにしましょう。
参考までに、金銭貸借関係の契約書についての収入印紙額を以下に記載します。
記載された契約金額 印紙税額
1万円未満 非課税
10万円以下 200円
10万円を超え50万円以下 400円
50万円を超え100万円以下 1千円
100万円を超え500万円以下 2千円
500万円を超え1千万円以下 1万円
1千万円を超え5千万円以下 2万円
5千万円を超え1億円以下 6万円
1億円を超え5億円以下 10万円
5億円を超え10億円以下 20万円
10億円を超え50億円以下 40万円
50億円を超えるもの 60万円
契約金額の記載が無いもの 200円
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金銭貸借の当事者であるお金を借りた人(債務者)が、とうとう返済が出来ない事態になったとき、金銭貸借の契約書に保証人が設定してある場合は、その保証人に肩代わりして支払うように弁済を請求することになります。
保証人には単純保証と連帯保証の区別があります。
単純保証の場合は、催告の抗弁権や検索の抗弁権があり、まず最初に債務者本人に請求をする必要があります。通常は内容証明郵便で債務者に請求した事実を示さなくてはなりません。
また、単純保証の場合は、分別の利益があります。これは保証人が複数いる場合は、債務額を保証人の数で頭割りします。
つまり、貸したお金を回収する側(債権者)は、債務者に支払能力が無いことを証明しつつ、保証人が複数いるばあいは、複数の保証人と連絡調整をとりながら、請求をしていかねばなりません。
一方、連帯保証の場合は、催告の抗弁権・検索の抗弁権・分別の利益は認められず、複数の連帯保証人がいる場合でも、債権者は任意の一人に対して、債権の全額を請求することも可能となります。
契約書に基づいて、債権を保証人(連帯保証人)に弁済するよう請求し、それで応じて貰えるなら、債権回収は完了となります。
しかし、保証人(連帯保証人)が弁済に応じない場合は、訴訟をするしかありません。
金銭貸借の契約書を公正証書で作成しておいた場合は、訴訟を経ることなく、保証人(連帯保証人)に対して強制執行をすることが可能となります。
債権額が大きく、返済も長期にわたる場合は、契約書を公正証書にしておく方が無難ですね。
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金銭貸借の担保の一手段として、保証人や連帯保証人をつけるという方法があります。
「連帯」という二文字がつくかつかないかの違いですが、そこには思いの他、大きな差があります。
「連帯」の文字のつかない保証人を、ここでは単純保証人と書きます。
単純保証人には、「催告の抗弁権」や「検索の抗弁権」という権利が認められています。これは、お金を借りた本人(主たる債務者)が返済を滞らせた場合に、単純保証人は「先ず主たる債務者から差し押さえをしてくれ。奴は銀行に隠し口座を持っているはずだ。」等と主張できる権利です。
その他にも、保証人が複数居る場合は、「返済金額を保証人の数で頭割りしてくれ」と主張する権利(分別の利益)もあります。
しかし、連帯保証人には、催告の抗弁権・検索の抗弁権・分別の利益は認められません。
お金を貸した側は、特定の連帯保証人の一人に対して、「あなたに返済義務があるんですよ」と宣告できてしまいます。
つまり、連帯保証人とは、連帯保証人が主たる債務者と同等の返済義務を負うのですね。
お金を貸す側では、単純保証より連帯保証の方が、回収時の手間がかからないことになります。
「連帯」の二文字の違いって、本当に大きいですね。
金銭貸借に関する契約書作成なら、迅速な借用書と金銭貸借契約書作成エクスプレスをご覧下さい。
契約は口頭の約束だけでも成立するので、契約書が無くても、契約自体は有効です。
小額なお金の貸し借りや、日用品の売買では、特に契約書は不要でしょう。
と言うより、数千円単位の取引で、いちいち契約書を作っていたら、日常生活に支障が出てしまいます。
八百屋での買い物で、いちいち契約書なんかを作っていたら、時間の無駄ですね。
でも、小額の買い物や貸し借りでは、損をしたとしても被害は小さいですね。
乱暴な言い方をすれば、失っても痛手の無い金額であれば、契約書は不要です。
もし、100万円単位のお金を貸す場合はどうでしょう?
人によっては、「100万円なんてハシタ金だから、失っても何とも思わない」という羨ましい懐具合の方もみえるでしょう。
しかし、大抵の人にとっては、「100万円を失ったら、しばらく立ち直れない」というのが素直な反応だと思います。
大きな金額を貸す場合は、やはり確実に返済がされるような対策をしておくべきですね。そのためには、借用書や金銭消費貸借契約書を作成しておくのが、最も確実な手段となります。
契約書には二つの効果が期待できます。
一つは、返済条件や返済が滞った場合の罰則を定めることにより、お金を借りる側に条件を守らなければいけないという意識を植え付ける効果です。
口約束に比べれば、契約書を作成するという行為は、遥かに重いものです。それが返済をしようという動機付けとなります。
もう一つは、契約書が裁判の際の証拠となる効果です。不幸にも返済が滞る場合は、最終的には裁判で決着をつけねばなりません。その際に、裁判所はお金の貸し借りがあった証拠を提出するように要求してきます。その時に、契約書が無ければ、裁判は難航してしまいます。
裁判をするにしても、まずは契約書を用意しておく必要がある訳です。
(60万円以下の債権に関しては、原則として1日で判決の得られる小額訴訟の制度があります。小額訴訟でも、証拠として契約書は必要です。)
※行政書士は裁判や小額訴訟には関与できません。
以上のように、契約書は確実に返済をさせるための保険のような存在です。
「このお金が返ってこないと困るな」というお気持ちが働く場合は、借用書や金銭消費貸借契約書の作成を、当事務所にお任せ下さい。
お客様の不安を取り除くために、効果的な契約書を作成致します。
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貸したお金は、約束の期限までに一括で返してもらいたいものです。当然ですよね。
でも、貸した相手は本当にお金が無く、貯金なんてしているかどうかも怪しいってケースもあるでしょう。
そんなときに、「早く返せゴラア!」「臓器を売れ(以下、略)」なんてことを連呼すると、貸した側が脅迫罪等で刑事告訴される事態にもなりかねません。
怒りのお気持ちは理解できますが、そこはグッと堪えて、現実的な対処を考えるべきです。
見るべき資産が無い人に対して、いくら一括返済を請求しても、それは無理難題というものです。
そこで現実的な対策としては、連帯保証人になって頂ける方を探すか、長期間の分割返済を約束させるということになってしまいます。
連帯保証人に関しては、余程の事情が無い限り、ほとんど見込みは薄いですね。誰でも現実に滞っている債務について、後から連帯保証人になるのは嫌がります。
これはほとんどアテには出来ないです。
すると、残された手段は長期間の分割返済しかありません。腹立たしいことですが、仕方ありませんね。
でも、分割返済を口約束で承認するようでは、あなたは「お人好し」過ぎます。今まで誠実に返済しなかった相手が、分割にした途端、キッチリと返済期日を守ると思えますか?
まず、ありえないでしょうね。
妥協案として分割返済に承諾するなら、その返済条件や返済遅延時の罰則を定めた借用書や債務承認弁済契約書を作成しておくべきです。
相手に返済期日を守らないと、まずいことになるという意識を持たせることが肝要です。
金額が大きい場合は、公正証書まで作成した方が無難です。
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通常の金銭貸借であれば、借用書や金銭消費貸借契約書を作成して、返済期限を明確にしておきます。
それが、協議の詰めが甘く、返済期限を定めなかった場合には、いつから返還請求が出来るものなのかが不安になってしまいますね。
このようなケースでは、民法第591条では、「当事者が返還の期間を定めざりしときは、貸主は相当の期間を定めて、返還の催告をなすことを。」と定めています。
この「相当の期間」というのがどれくらいを差すのかが疑問ですが、通常は1週間くらいで良いとされているようです。
つまり、返済期日を決めなかった金銭貸借は、貸主が1週間ほどの猶予期間を定めて返還請求をすれば良いわけです。
それで借主がすぐにお金を用意できるかどうかは別問題ですが、貸主が返還請求をすれば、借主はそれに応じる義務が生じます。
お金を貸した側が、いつまでも請求を怠れば、返済期限は曖昧となり、個人間の貸借であれば10年間で時効となってしまいます。
返済期間を決めなかったことが気がかりであっても、貸した側が返して欲しいと思ったときには、すぐに返還請求の手続きをした方が良いですね。
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金銭貸借の最大の心配事は、何と言っても「ちゃんと返済されるのだろうか?」ということでしょう。
返済条件について話し合って、借用書を作成しても、その心配は尽きることがありません。
金銭貸借の金額が大きく、返済も長期間になる場合は、公正証書を作成して、不測の事態に備えるのが最適です。
公正証書を作成するほどではないと判断する場合は、金銭貸借の契約書に、返済遅延や返済事故をした場合の罰則を定めることで対処します。
例えば、契約の条件を果たさない(義務を履行しない)場合に備えて、あらかじめ損害賠償金について決めておくことができます。
このように損害賠償金をあらかじめ定めておくことを、損害賠償の予定といいます。
但し、10万円の金銭貸借に対し、100万円の損害賠償を予定するのは、公序良俗違反となり、その取り決めは無効とされる可能性があります。
実際に生じる損害の程度に合わせた損害賠償金にしておく必要があります。
損害賠償額が60万円以下であれば、損害賠償の予定を定めた契約書を証拠として、少額訴訟を提起して回収を図るという対処も可能です。
(行政書士は少額訴訟には関与できません。)
損害が60万円を超える場合は、少額訴訟制度は利用できないので、公正証書を作成しておくのが無難かと思いま
金銭貸借に関する契約書作成なら、迅速な借用書と金銭貸借契約書作成エクスプレスをご覧下さい。
商取引では、事後に借用書を作成しているようでは、いろいろと不都合がありますね。
通常は売買契約書なり取引基本契約書を作成して、事前に金銭関係の取り決めを行います。
ここでは売買契約書の金銭貸借に関するポイントを検討してみます。
他にも検討事項はあるでしょうが、重要事項としては以上の内容は押さえておきたいところです。
契約解除については、支払い事故等の被害を最小限とするため、明確にしておくべきです。
例えば2ヶ月連続して代金の支払いが滞った場合は、取引停止の上に、即時に売掛金の全額回収を義務付けるなどの対策を講じておきたいですね。
これは期限の利益とも連動する重要な対策です。
売掛金の支払いが長期に滞ることを予防するためには、支払い遅延に対する遅延損害金を定めておくことも検討したいところです。
取引の金額が大きい場合は、代金が支払われるまで商品の所有権は売主の元で保留させ、支払い事故があった場合は、即時に商品を引き揚げできる契約内容にすることも考えられます。
こうした契約内容は、取引の力関係で決まりますが、できるだけ自社に有利な内容となるように検討を加えておく必要はあるでしょう。
金銭貸借に関する契約書作成なら、迅速な借用書と金銭貸借契約書作成エクスプレスをご覧下さい。
返済期限になっても、貸したお金が返ってこない場合、そのまま無策で見過ごすのは、そのお金をドブに捨てるのに等しいですね。
約束を破られた(契約違反)ときは、すぐにアクションを起こさねばなりません。
具体的には、改めて返済条件を定めて、債務承認弁済契約書を作るのが現実的です。
お金の貸し借りに関するトラブルを予防するために、当事務所の運営サイトの一つである迅速な借用書と金銭消費貸借契約書作成エクスプレスにて、マメ知識集を作成していきます。
現在のところ、以下の3つのマメ知識を紹介しております。
継続的に金銭貸借に関するマメ知識を書き溜めていきますので、閲覧して頂けると幸いです。
借用書を作成しておくメリット
金銭貸借の事実証明と、その返済条件を取り決めするには、借用書(金銭消費貸借契約書)を作成するのが一般的です。
知人に口約束だけでお金を貸して、期限になっても返済されないというトラブルは、非常に多いです。
そのようなケースでは、返済に関する再協議をして、借用書を作成することで、問題が解決できることも多いです。
既に返済期限を守れなかった相手と契約を再確認する訳ですから、安易な借用書では不安が残りますね。
やはり、専門家が作成した拘束力の強い借用書の方が、相手方も返済に関する意識が強くなります。
また、口約束のまま放置すると、時間が経過してから、お金を貸した事実まで否定されかねません。
金銭貸借の事実を明確化しておくためにも、形式の整った借用書(金銭消費貸借契約書や債務承認弁済契約書など)を作っておくメリットは大きいです。
後日になって、債権回収のための訴訟をする事になった場合でも、借用書があると無いのでは、裁判の進行が天と地程の差となります。
その借用書も、簡易的なものか、形式の整ったものかで、裁判官に与える心証は大きく異なります。
特に債権額が60万円以下の場合は、簡易裁判所の小額訴訟制度が利用できるので、一日で判決が得られます。
その前段階の証拠整備として、借用書の作成は大きな意味を持ちます。
(行政書士は、債権回収実務や小額訴訟に関与することはできません。)
もちろん、専門家が作成した契約書を交わしただけで、相手方の返済意識が強くなり、借用書の条件通り返済されたというお客様の声も多数頂いております。
それほど、約束を契約書にするという事には、大きなメリットがあります。
返済期日までに貸したお金が返されない場合は、借用書を作成することを条件に、返済期限を延長するという対処が現実的ですね。
商売や滞った債権回収の一手段として、建設機械・自動車や什器・在庫商品等を担保にする場合があります。
または、金銭消費貸借契約書(借用書)や債務承認弁済契約書を作成し、その履行を確実とするために各種動産に対して、別途譲渡担保設定契約書を作成する場合もあります。
不動産抵当権を設定するには登記が必要で、そのような手間をかけられないような場合には、上記のような動産に担保を設定するのが簡便で好まれます。
(但し、債務者が勝手に担保物を第三者に売り渡してしまうリスクもあるので、相手方との信頼関係が成立していることが前提となりますね。)
また、動産であっても、自動車や建設機械の一部のように、法律で登録や登記が義務付けられているものがあり、注意が必要です。
法律で登記が指定されている動産について、譲渡担保設定契約書を交わしていても、登記がされていなければ、勝手に第三者に売り渡されてしまうリスクがあります。
担保に設定しようとする動産が、登録や登記が必要かどうかは、該当動産のメーカーや司法書士に確認されるとよいでしょう。
譲渡担保設定契約書の作成には、以下の事項を検討する必要があります。
元となる債権や債務の確認
動産の指定(製品名称・製造メーカー・製造番号・寸法・仕様・数量など)
動産の所在地指定
動産の管理者指定
動産の利用権者指定
動産に関する保険の受取人指定
動産の権利移転の禁止
動産の価値が滅失した場合の危険負担の取り決め
動産の権利移転の条件
動産の価値評価(担保としての価格評価)
担保物の権利関係を明確にするためには、担保設定の契約を公正証書にしておくのが望ましいです。
担保価額が大きければ、絶対に公正証書にしておくべきでしょう。
自分の事業を第三者に譲渡する場合などは、営業譲渡契約書を締結し、その営業権を譲渡することになります。
いわゆるのれん分けや、M&A、経営権の委譲等で、事業の営業権を譲渡する際に、この営業権用途契約書を作成することになります。
営業権譲渡を行う場合には、以下のような事項を検討しておく必要があります。
譲渡する営業権の内容と移転時期
譲渡する側の競業禁止義務の範囲
譲渡する営業財産の範囲
営業譲渡の対価(ロイヤリティー)
ロイヤリティーの支払方法
営業成績の報告義務とロイヤリティー把握の方法
ライセンス供与の有無
商号移転についての登記変更(司法書士業務です)
負債移転の有無
このように詳細を協議して決めておかないと、後からトラブル発生のリスクを残してしまいます。
営業譲渡の取り決めが曖昧であったために、特にロイヤリティーの支払方法や、負債の存在とその負担、ライセンス使用の問題等で揉めるケースは多いです。
これらの問題は、事前によく話し合い、契約書で明確にしておく必要があるでしょう。
リース契約とクレジット契約の違い
リース契約もクレジット契約も、販売会社が商品を提供し、契約者は金融会社に手数料を分割支払いしていくという形式は共通となります。
そのため、両者の区別がつかずに契約をしているケースは多いと思います。
契約者(消費者)の立場から見ると、両者の決定的な違いは「クレジット抗弁権」の有無にあります。
「クレジット抗弁権」とは、商品やサービスに何らかの問題があったときに、契約者(消費者)が金融会社に対して合法的に支払いを拒否できる権利です。
クレジット契約にはこれが認められ、リース契約には認められません。
つまり、リース契約は一度契約したら、契約者の都合では支払停止や解約の措置はできないのです。
リース契約は事業者同士の契約となるため、特定商取引法や消費者契約法による保護も受けられません。
事業者が廃業などの理由でリース商品を販売店に返却しても、リース料の支払いは免除されないのです。
これはかなりシビアな契約ですね。
長期間のリース契約を締結する場合は、販売店のサービス提供に問題がないかを慎重に検討する必要があります。
個人的には、一括払いやクレジット契約で購入可能な商品は、わざわざリース契約にする必要は無いと思います。
リース契約のメリットは、リース料を経費処理できる点ですが、それでも多額のリース手数料を考えると、得をしたとはいえません。
また、リースとレンタルを混同したり、リースには保守が含まれているという誤解も多いようです。
レンタルは単なる月極めの賃貸ですが、リースは期間終了までリース料の支払いを止めることができません。
保守については、リース契約とは別に保守契約をしているため提供されるのであって、リース契約とは別です。
保守が目的なら、一括払いやクレジット契約による購入でも、個別にリース契約を締結することで果たせます。
個人事業主の場合は、リース契約という契約形態に疑問を感じますね。
金銭貸借に関する契約書は、一般的には次の3つがあります。
それぞれには、以下のような違いがあります。
金銭消費貸借契約書(または借用書)
単純なお金の貸し借りに関する契約書です。
最もポピュラーな契約ですね。
貸した金額がいくらであり、どのような条件で返済するのかを中心に取り決めを行います。
借用書と目的は同じですが、借用書は借りた側(債務者)が一方的に返済を約するのに対し、金銭消費貸借契約書は貸した側(債権者)も契約書に連記します。
つまり、金銭消費貸借契約書は、債権者と債務者の両者が協議した結果を書面に残す訳です。
金銭消費貸借契約書の方が、両者の合意が証明されている点で、より厳格な契約書といえますね。
金銭準消費貸借契約書
これは金銭消費貸借契約書に「準」の文字が付加されていますが、その違いは、商売の売掛金などを、社長の個人保証に切り替える際などに使います。
つまり、商売上の債権(または債務)について、個人的な貸し借りに置き換える訳ですね。
支払いが滞る取引先に対して、支払猶予をする代わりに、その金額(債務)を社長の個人名義に換える等のケースがあります。
個人保証になった場合は、返済についての意識が変わりますし、債権の消滅時効も5年もしくは10年に延長するというメリットがあります。
債務承認弁済契約書
傷害事件や離婚などの慰謝料について、その支払いを認め、返済条件を詳しく設定する契約書です。
または、過去の金銭消費貸借契約書について、利息や返済期限等の条件を変更する際にも、この契約書を作成します。
特に、過去の金銭貸借について書類を作成していない場合に、改めて契約書を作成する場合も、この契約書を作成します。
意外と、過去の口約束の金銭貸借について、債務承認弁済契約書を作成するというご依頼は多いものです。
「簡単な借用書を作ったが、その効力に不安がある」というご相談も実に多いです。
借用書や債務承認弁済契約書の作成は、迅速な借用書と金銭消費貸借契約書作成エクスプレスにご用命下さい。