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電話機のリース訪問販売がクーリングオフの対象に

契約者が事業者である事業者契約やリース契約は、消費者契約には含まれないので、基本的には特定商取引法の対象とはならず、クーリングオフはできません。

その点を悪用して、電話機やインターネット回線を販売するのに、個人名義では無く事業者名義で契約をさせ、クーリングオフに応じない訪問販売業者が多数あります。

「家庭用の電話なのに、事業者名義で契約させられた。」
「商売はやっていないのに、架空の個人事業名を記載させられた。」
「不当に高額なのに気が付いて、解約を申し出たら、リース契約は中途解約ができないと拒否された。」

このような契約トラブルは、実に多いです。
当事務所でも、相当数のご相談を承っております。
経済産業省でも、このような悪質な事例が増加していることを把握しており、平成17年12月6日に特定商取引法の通達を改正し、被害者救済の対策を始めました。

特定商取引法の通達改正(平成17年12月6日)

販売業者の定義(通達第1節1の(10)) 特定商取引法第2条関係
リース提携販売のように、「契約を締結し物品や役務を提供する者」と「訪問して契約の締結について勧誘する者」など、一定の仕組みの上での複数の者による勧誘・販売等であるが、総合してみれば一つの訪問販売を形成していると認められるような場合には、これらの複数の者は、いずれも訪問販売業者等に該当する。

クーリングオフ適用除外関係(通達第5節1の(1)) 特定商取引法第26条関係
一見事業者名で契約を行っていても、購入商品や役務が、事業用というよりも主として個人用・家庭用に使用するためのものであった場合は、原則として本法(特定商取引法)は適用される。特に実質的に廃業していたり、事業実態がほとんどない零細事業者の場合には、本法が適用される可能性が高い。

つまり、電話機等のリース契約(事業者名での契約)であっても、その用途が家庭使用であれば、特定商取引法の訪問販売に該当することになり、契約書を受領してから8日以内であれば、クーリングオフ通知書を送ることで、クーリングオフによる契約解除ができる可能性が認められました。

但し、平成17年12月6日以前の契約については、通達の効力が及びませんので注意が必要です。

この通達は業界関連団体にも指示されていますが、周知徹底には時間がかかる可能性もあります。
通達を根拠に、電話機のリース契約をクーリングオフ主張することはできるようになりましたが、その解釈を巡って業者に事実証明をしなくてはいけない場面も生じるかもしれません。

電話機やインターネット機器等のリース契約のクーリングオフ代行については、当事務所が運営するクーリングオフ・エクスプレスのサイトにて、ご相談や内容証明作成を承っております。

投稿者 : 2005年12月07日 13:18 [ 管理人編集 ]